塗料・工具アクリジョン

【検証】水性塗料アクリジョンを試してみた!

現在、プラモデルに色を塗る塗料は「ラッカー系塗料」が主流です。

「ラッカー系塗料」は種類も多く、性能も高いのですが、臭いがきつかったり、専用の溶剤(シンナー)を用意する必要があります。

特に、臭いがきついっていうのは大きな問題です。自分の健康を害するだけでなく、誰かに迷惑を掛ける可能性もありますからね。

私はラッカー系の塗料で塗装することが多いんですが、環境が変わればラッカー系を使うことは出来なくなるかもなー、なんてことが頭の片隅にありました。

ですが最近は臭いの少ない水性塗料も種類が増え、性能も格段に上がってきています。

そんな中で、今回は「アクリジョン」という水性塗料がどんなものか試してみました。

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水性塗料「アクリジョン」の特徴

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アクリジョンとは、クレオスから販売されている水性塗料の一種です。

従来の水性塗料よりも更に安全性の高い水性塗料で、他にも以下の特徴があります。

①臭いがほとんどない

②乾燥が早い

③塗膜が固い

④隠ぺい力が弱い

 

もちろん水性塗料なので、筆を洗ったり塗料を薄めたりするのは水でOKです。(ただし、完全に乾燥してしまうと専用のツールクリーナーが必要になります)

水性塗料とはいえ多少は臭いがするものですが、「アクリジョン」はまったくと言っていいほど臭いがしませんでした。

 

乾燥も早く、少し待てば、かるーく触れるくらいにはなります。完全に乾くまでは3、4時間ほどでした。

乾燥した後の塗膜も固く、爪でひっかいてもビクともしません。

ここまでは本当にいいことずくめのようですが・・・この④の隠ぺい力が弱い、というのが大きな問題です。

隠ぺい力とは「下地の色を覆い隠す力」のことなんですが、これが強ければ強いほど、下地の影響を受けずに綺麗に色を塗ることが出来ます。

そして「アクリジョン」はこの隠ぺい力のことが問題とされていました。

アクリジョンの隠ぺい力は?

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プラ板の真ん中に黒の油性ペンで線を引き、その上からアクリジョンを2回塗り重ねてみました。

ご覧のとおり、まったく線が隠れていません。ほとんどクリアカラーのようです。

隠ぺい力が弱いと、こういうことになります。

 

もちろん、すべてのアクリジョンがこのような隠ぺい力をしているわけではありません。

もともと隠ぺい力が無いと言われている赤や青などはこういった傾向がみられます。

もっと使っている人がいてもいいのにな、と思うアクリジョンですが、あまり使われない理由はおそらく隠ぺい力が無いことが原因です。

アクリジョンの欠点を補う方法

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とはいえ、その欠点も『ベースカラー』の登場でかなり補えるようになりました。

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同じように油性ペンの上から2回ベースカラーを重ねてみました。

すこし線が見えますが、かなり隠ぺい力に差があるのがわかります。

もう一回重ねれば、線を覆い隠くすことができそうです。

実は黒の油性ペンって、けっこう色を貫通してきますので、使うのはちょっと意地悪かな? と思いましたが、この隠ぺい力は凄いですね。

つまり、アクリジョンを使う時は、このベースカラーで下地を作り、その上に同系色の色を乗せていくことが基本となります。

 

アクリジョンと他の塗料を重ね塗りすると?

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アクリジョンの上にエナメル塗料やラッカー塗料を塗っても、まったく問題ありません。

普通、水性塗料の上にラッカーを塗ると下地が溶けだしてくるのですが、そんなことはほとんどありませんでした。

ちなみに、ベースカラーの上に通常のアクリジョンを塗っても、同様に問題ありません。

これなら、メインの塗装をアクリジョンで行い、細かい塗り分けを他の塗料で行うことも可能です。

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ちなみにエナメル溶剤を綿棒に染みこませ、乾燥した塗料面をがしがしと擦ってみましたが、ほとんど色が落ちません。綿棒に多少色が付くかな? 程度です。

つまり、アクリジョンで塗装した後、エナメル系塗料で「ウォッシング」や「チッピング」なども問題なく行えるということです。

これは作品に幅が持てるのでかなり大きい要素だと思います!

結論

アクリジョンは臭いもほとんどなく、筆洗いも希釈も水でおこなえる安全性の高い塗料です。

隠ぺい力の問題はありますが、ベースカラーを使うことによって、かなり可能性の幅が広がりました。

けっこう癖のある塗料ですが、工夫次第ではぜんぜん使える塗料だと思います。

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