エアブラシ塗装の基本的な作業は、調べればすぐにわかりますし、実行するのも容易です。
ですが、中にはセオリーから外れた、我流の使い方をしているモデラ―さんも存在します。
危険と隣り合わせではありますが、もしかしたら絶大な効果を発揮するかもしれない・・・。
今回は、ネットなどで見つけたエアブラシの技法、テクニックを紹介しようと思います。
ちなみにタイトルにもありますが、試す場合は自己責任でお願いします!
ニードルキャップを外して塗装する
まずはハンドピースのニードルキャップを外して塗装をする、です。
ニードルキャップとはハンドピースについている先端のパーツですね。
結論から言うと、ニードルキャップを外すと、塗装する範囲が広くなります。
ニードルキャップの先端はいつの間にか塗料がたまって汚れていきますが、それはその部分に塗料が当たっている、ということでもあります。
ニードルキャップがないと、その塗料が当たる部分がなくなるので、単純に塗装範囲が広がるんですよね。
また、ニードルの先端に汚れがたまり続けると、いつの間にか先端で塗料が固まってることがあります。
そこに噴出した塗料があたると塗装面に飛沫のように飛んでしまい大惨事、なんてこともありますが、そんなリスクも減らせます。
これは円形のキャップですが、クラウンタイプのキャップだとそういったことが起こりやすいですね。
いちおう他のメリットとしてはパール塗装なんかは外して広範囲に拭いた方が綺麗にいく、と聞いたこともありますが・・・。
デメリットはもちろん、先端のニードルがむき出しになるので、ぶつけて曲げるリスクが爆上がりすることです。かつん、とぶつけると、ニードルは確実に曲がります。
知っている方も多いと思いますが、ニードルの先端が少しでも曲がると、塗料は正常に吹けなくなります。
ニードルは別売されているので、最悪なんとかなりはしますが・・・(できれば同じメーカーの既製品を使った方がいいと思います。)
このリスクをどうとるかは、やはりモデラ―次第といった感じです。
シルバリングを防ぐために溶剤をそのままを吹く
次はシンナー(溶剤)をそのままキットに吹き付ける、というテクニックです。
目的はデカールのシルバリングを防ぐため、ですね。
デカールのシルバリングはきちんとパーツに密着していないことから起こります。
それを溶剤を吹きかけて無理やり溶かして密着させるという荒業です。
当然、塗装とデカールを貼った面に溶剤を吹きかけるわけですからリスクも大きいです。下手をすると、塗装面が溶けてまだらになります。
こちらは北海道在住のプロモデラー・プー熊谷さんがやっていました。(時間は7分くらいから)
以前、別の北海道モデラ―さんが同じテクニックを紹介していたのを見た気がするんですが・・・溶剤吹きは北海道が発祥の地なんだろうか、と思ったり。
ハンドピースを洗わない
お次はハンドピースを洗わずに塗装をする、です。
塗装をして色を変えるとき、当然ハンドピースを洗いますよね?
ですがこのテクニックは、洗わずに別の色をぶちこんで塗装を開始します。
そんなことしたらカップの中で色が混じって変わってしまうやんけ! と思うかもしれません。
もちろん変わります。
が、実はですね、やってみると意外とそんなに変わらなかったりするんですよ。
その変化を許容できるなら、メッチャ時短になります。
やり方としては、
① まず普通に塗装をする
② 塗装をし終わったらハンドピース内の塗料は吹き切る
③ 次の塗料をいれて塗装開始! です。
最初は前に入っていた塗料(赤)が出てしまうので、そこはプラモに乗せないようにします。
ですが、だんだん、後に入れた色(黒)へと変わっていくので、そうなったら塗装開始です。
これは実際、赤の塗料を先に吹いてから、カップを洗わずに黒を入れて吹いてみました。
どうでしょうか? ほとんど赤っぽさは無いと思います。
角度を変えてもこんな感じ。この黒、許容できますか?
もちろんこのテクニックにもコツがあって、基本的に薄い色から濃い色にしていくことが重要です。
黒⇒赤よりも赤⇒黒の方が変化が少ない、ということですね。
ですが、入れる順番を間違えると、塗料の色は理想とはかけ離れたものになるかも・・・。
もちろん、ある程度のタイミングでカップは洗わなければいけませんが、使いこなせば塗装はかなり楽になります。
このテクニックは、凄まじいスピードで素晴らしいカーモデルを作っているSOFさんが「深掘り解説 SOF式オートモデル製作術」で紹介されていました。
もっとくわしい解説やコツはこちらの本で解説されています。
ぜひご覧ください。いい本です。おススメします。
ハンドピースを拭かない
次はハンドピースを拭かない、です。
塗装をした後、ガラガラとうがい洗浄する前と後に普通はティッシュであまった塗料や残った溶剤を拭きます。
その作業を行いません。
じゃあ、どうやってカップを綺麗にするの? と思うかもしれませんが、こういった大きめの筆を使います。
中に溶剤を入れて、筆で塗料を洗うわけです。
がらがらとうがいをしながら、周囲の塗料を拭き落としていきます。
3~4回もうがいをすれば、カップはこの通り綺麗になります。
このテクニックの目的は、カップふき取りの際のホコリ付着の防止ですね。
実は、塗装の時につく小さなホコリは、ティシュの塵だった、ということがあります。
いくら色を塗る前にパーツのホコリを払ってもホコリが付くのは、そういうのも関わっているようなんですよ。
たしかに、たしかにですね、これをすると塗装の時につくホコリは減った気が、します。あくまで体感ですが。
ただ、何度もうがいをするので、溶剤を使う量は増えました。
すいません、このテクニックはどこで見たかちょっと記憶にないんですが・・・。他のテクニックと比べて危険性は少ないので、ホコリに悩んでいるなら、ぜひ試してみてほしい。
ちなみにカップを拭くものとしては塵の出ないキムワイプが有名です。
併用すると互いの節約にもなるかな、と思っていたりしてますね。
まとめ
以上で、SNSなどで集めた危険と隣り合わせなエアブラシのテクニックでした。
どれもこれも、普通にエアブラシを使っていたら思いつかないテクニックばかりです。上手く使えば、模型製作の効率を上げることができるかもしれません。
よければ自己責任でお試しください。