模型製作で欠かせない工具に『ヤスリ』があります。
ゲート跡を処理するだけでなく、ガンプラに慣れてくれば、ヒケやパーティングラインの処理、合わせ目を消すことにも使用するので、まさに必須級の工具です。
ですが、模型用のヤスリにはものすごくたくさんの商品があるので、何を使ったらいいのか迷うと思います。
ヤスリ掛けは適した箇所に使用すると作業がとても楽になります。
今回は、ガンプラの初心者にもおススメできるヤスリを紹介してみようと思います。
ヤスリの種類について
ヤスリといってもたくさん種類がありますが、模型製作に使うものは大きく分けて『棒ヤスリ』『スポンジヤスリ』『紙やすり』『金属ヤスリ』の四種類があります。
はじめてガンプラを作る方は、とりあえず『棒ヤスリ』『紙やすり』『スポンジヤスリ』を揃えておくのがおすすめです。

まず棒ヤスリなんですが、こちらは固いスポンジのような面にヤスリが貼りつけてあるようなヤスリです。
安価で耐久性もあり、ゲート処理、ヒケ処理、合わせ目消しの処理など、様々な面で活躍できます。
模型製作のヤスリ掛けの7割くらいはこの棒ヤスリで十分おこなえます。

ただ、棒ヤスリは大きいため、ヤスリを掛ける箇所によっては使いづらい場合があります。
そういったところをフォローするように、『紙やすり』と『スポンジヤスリ』を使う、というのが基本です。
紙やすりは、細かい部分をヤスリ掛けするのに適しています。

また、スポンジヤスリは面に密着してくれるため、曲面を描いたパーツをヤスリ掛けするのに役に立ちます。
こういった曲面パーツを棒ヤスリで無理にヤスリ掛けしようとすると面がガタガタになってしまいます。
金属ヤスリはきちんと特性と工具を理解しないと上手に扱えないので、最初のうちは選ばなくてもいいと思います。
ガンプラでよく使うヤスリの番手は?
ヤスリには番手というものがあって、それが数字で表してあります。
数字が少なくなるほど荒くなる、つまりよく削れるようになるのですが、ガンプラでよく使用する番手は「400番」「600番」「800番」です。
この番手があれば、基本的なことは問題ありません。
「400番」でゲート跡やヒケを処理し、そのあとに「600番」「800番」とヤスリを掛けていくと、表面はとても綺麗になります。
ガンプラにおススメのヤスリを紹介
ここからは実際におススメできるヤスリを紹介します。
棒ヤスリ、紙やすり、スポンジヤスリの順で説明します。
最後に少し、金属ヤスリについて触れようと思います。
Wave ヤスリスティックソフト(各種)

まずは、『Wave ヤスリスティックソフト』です。
個人的にはあらゆる面で最強のヤスリ、と思っています。

硬いスポンジの両面にヤスリが貼り付けてあり、同じ番手の3枚セットで販売しています。
とにかく耐久性があり、長持ちするのが特徴です。

切削性も良く、値段も300円ちょっと。
手に入りやすさ、耐久性、どれをとっても文句なしです。
すこし長いので半分にして使うと、1セット買うだけでもかなり長い間使えます。
ただ、ヤスリが太めなので、細かいところを処理するのはちょっと苦手です。そこは別のヤスリでカバーする、というのは最初に書いた通りです。
自分はこれがないと本当に模型作りが滞るので、めっちゃストックしてます。
使ったことがない方は是非使ってみてほしい。初心者の方にも強くおすすめするヤスリです。
BANDAI スティックヤスリセット

次におススメなのがBANDAIから販売されているヤスリスティックセットです。

400番、600番、1000番が1枚ずつ入ったセット品なので、これを一つ買うとよく使うヤスリが揃うというのがとてもいい。
使い勝手はWaveのヤスリスティックソフトに近いため、まったく問題ありません。
大きな違いとしては、こちらの方がすこし小さいという点です。手にフィットしやすいですが、個人的にはもう一回り大きくても良かったかな、と思います。

番手は横のラインの色で判断します。赤が400番、青が600番、白が1000番です。
ヤスリは400~800番くらいの番手をよく使いますが、BANDAIのヤスリスティックはこれを一つ買うだけですべて揃うので、はじめてガンプラを作る方にすごくおすすめです。
ただ、特定の番手だけが欲しい、ということができないので、最初にこれを買ってみて、問題なければ上で紹介しているWaveのヤスリに切り替えるのがいいと思います。
自分で使うだけに限らず「ガンプラを作ってみたい!」という方に、キットと一緒にプレゼントするっていうのもいいと思うのですが、どうでしょうか?
Wave 切れてるヤスリ各種

次はWaveの「切れてるヤスリ」です。
こちらは短冊状になった紙ヤスリとなっています。

付箋のようになっているため、使いたい時にさっと剥がして使うことができます。
これだけ? と思うかもしれませんが、これがまた、非常に使い勝手がいいのですよ。
ペーパータイプは細かいところをヤスるので、このくらいの大きさで十分なんですよね。
大判の紙やすりは使いやすい大きさに自分で加工する必要があります。
普通の紙やすりを買うより少し値段は高いですが、初めから使いやすい大きさになっているのがとてもいい。
管理もしやすいですし。
GodHand 神ヤス!

模型用のスポンジヤスリとして、トップクラスの性能をもつのが、神ヤス! です。
なんといっても、耐久性や切削性が良いのが最大の特徴。愛用しているモデラ―も多いです。

他のスポンジヤスリと比べて、目詰まりもしずらく、とにかく長く使えます。
大きさも、実はこのくらいがちょうどよかったりします。もちろん、ハサミで小さくすることも可能。
メラミンスポンジでさっと撫でると、ある程度、切削性が回復するのも凄いですね。

ただ、欠点としてはほかのスポンジヤスリと比べて値段がすこし高めな点。それでも500円ほどですが。
また、番手の他に厚さにも種類があって、正直、最初は何を選んでいいか迷ってしまうということでしょうか。
とりあえず、番手は、今まで通り400番~800番があれば問題ありませんが、厚さについては2㎜厚と10㎜厚が汎用性があるかな、と思っています。
神ヤスについてはまた別の記事で解説しているのでよろしければご覧ください。
スポンジヤスリは面と密着してヤスリを掛けることができるのが特徴ですが、厚さによってさまざまな面に対応できるのが神ヤスのいい所でもあります。
厚いものだとゲートやヒケ処理も行けますからね。
スポンジヤスリとしては間違いないアイテムです。
3M スポンジやすり

次は3Mというメーカーから販売されているスポンジヤスリです。
3Mという模型関連のメーカではありませんが、モデラ―がよく使用する道具も販売しています。
ヤスリ自体は特別、高性能、というわけではないんですが、ホームセンターでも取り扱っていることが多く、入手しやすいんですよね。
私も、手に入りやすさから、かなーり長い間お世話になっていました。
ジグソーパズルの形に切れている商品があって、それが意外と使いやすくのでオススメですね。
金属ヤスリについて
最後に金属ヤスリについて説明します。
金属ヤスリですが、特徴としては段違いの耐久性と切削性にあります。
素材が金属なため、耐久性はもちろん普通のヤスリの比べ物になりません。
また、とにかくよく削れるため、使いこなすことができれば制作の時間短縮にもなります。
しまし、反面、プラスチックが削りすぎてしまう、というリスクもあります。
プラモデルが上手な方はゲート処理からヒケ処理まで金属ヤスリでやってしまうことがありますが、使いこなす、という観点が必要な工具です。
値段も高いので初心者のうちは無理に購入する必要はないと思いますが、もし購入するなら、まずは模型用のものを試してみるのがおすすめです。
タミヤ クラフトヤスリ 平

模型用の金属ヤスリとしては一番ベーシックなタイプ。
金属ヤスリを使ってみたいという方は、まずはここから試してみていいと思います。

さすが金属ヤスリと言いますが、ガンプラの関節に使われている削りずらいABSパーツもばっちりと削れます。
ただ、金属ヤスリにある「削れ過ぎてしまう」という問題はあります。
きっとパーツの面にあてていないと、エッジ部分など意図しない部分が削れていることがあります。
それと、けっこう深い傷が入るので、クラフトヤスリを使った後、600番くらいのヤスリでケアしてあげる必要もあります。
削ろうとするときに、引っ掛かりのようなものを感じることもあるので、慣れは必要ですが、金属ヤスリは長く使えるものなので愛用の物を探してみるのも面白いかもですね。
Wave バローベヤスリ 平

タミヤのクラフトヤスリとの大きな違いは大きさで、バローベヤスリは金属ヤスリにしては細く、そして小さいのが特徴です。
ですが、このくらいの大きさならギリギリ、ゲート処理にも使えます。
金属ヤスリはどうしてもよく削れてしまうんですが、バローベヤスリは番手としては600番くらいで優しく削れます。
ヤスリスティックなどでは届かないところを、ピシ! っと決めたい時に使えます。
【金属ヤスリ補足】ミネシマ ミニブラシ真鍮製

金属ヤスリを使う方は、真鍮製の小さいブラシで、削り粉を払い落としながら使うことを推奨します。
いかに金属ヤスリとはいえ、やはり目詰まりすると削れなくなってしまうんですよね。
真鍮製だとよく粉も落ちますし、ブラシ自体の持ちもいいです。
300円くらいで買えるので、いっしょに持っておくことをおススメです。
おススメのヤスリ まとめ

以上でガンプラにおススメなヤスリの紹介となります。
やはり最初におススメのは、使用頻度の高い「ヤスリスティック」「神ヤス」「切れてるヤスリ」の3種類です。
私はたまに、バローベヤスリで細かいところをヤスったりしますが、金属ヤスリは後回しでいいと思います。
ただ、今日紹介した以外のものでも、ヤスリはたくさん種類があります。
ヤスリ掛けは必ずと言っていいほど行う作業なので、いろいろなものを試してみるのもまた楽しいですね。
長くガンプラを作っていると「エッジ出し」なんていうこともやってみたくなりますし、細いところをヤスる極致仕様のヤスリなんて言うのも欲しくなってきます。
たまに革命的に作業効率が変わるものと出会ったりします。
紹介した以外の物もぜひ試してみて、自分に合ったガンプラヤスリを見つけてみてください。
私も、いろいろと試しています。いいヤスリを見つけるとなんか楽しくなりますよね。