便利そうだな、と思って、模型用の道具を買うと、たまに革命的に効率を上げてくれるものに出会う事があります。
私にとっては、ウェーブのヤスリスティックやタミヤの精密ニッパー、瞬間接着剤パテなどがそうでした。
そんな革命的ツールに、またひとつプラモ向上委員会の「デカーリングQuickトレイ」が加わりました。
ガンプラにデカールを貼るとき、面倒だなと思いませんか?
デカールが良いアクセントとして貼られたガンプラはとてもカッコいいですが、けっこうな枚数を貼らなければいけません。
ですが、このトレイ、そんな面倒な思いを一気に覆すだけの性能を秘めています。
デカーリングQuickトレイの使い方
デカーリングQuickトレイはこのような商品内容となっています。
スポンジ付きのトレイと、プラスチック製のピンセット、曲線ハサミのセットです。
使い方は簡単です。まずスポンジをトレイにセットし、線のある所にまで水を入れます。(写真では見やすくするため赤い線を入れています)
デカーリングQuickトレイのトレイ部分は可動し、このように下げると、スポンジが水に浸る状態になります。
使い方としては、まずトレイを一度下げ、スポンジを水に浸しておきます。
そのあとに、トレイを引き上げ、デカールを乗せて・・・
トレイを可動させ、水に浸してすぐに引き上げます。
あとはしばらく待って、デカールが台紙から動くようになったら貼っていくだけです。
これだけ? と思った、あなた。
このデカーリングQuickトレイの凄いところはここからです。
実はこの青いスポンジ、デカール糊の溶けだしを最小限に抑え、メーカーによると、最大30分間も放置しておけるとのこと。
デカール貼りのなにが面倒って、キットによっては大量に貼る必要があることです。
そのため、一気にデカールを水に浸すとどうなるか?
貼るのを後に回したデカールの糊が流れて、上手く貼れなくなったりします。
では、先に引き上げておくとどうなるか?
デカールは乾いて貼れなかったりします。
つまり、貼る分だけ、ちまちまと水に浸して、糊が溶けだすのを待って、それを貼って・・・という作業を延々としなければいけません。
このデカーリングQuickトレイなら、30分間もデカール貼りに猶予ができます。
しかもこのトレイ、いったん、水に浸すという工程が推奨されていますが、水気が十分ある場合、そのままスポンジの上に置いておくだけでもデカールが貼れる状態になります。
たまに水気を足すくらいの使い方でもよさそうですね。
つまり、切ったデカールをガンガンとトレイに放り込んでおけば、次から次へとデカールを貼れる状態になっていく・・・!
デカール貼りの効率は、正直、爆上がりしました。
デカール貼りは模型の終盤の作業です。
完成形がほぼ見えた状態。どうしても気持ちが焦るもの。
ですから、すこしでも効率よく貼っていきたいと思うじゃあないですか!
デカールを捨てる場所が付いているのも絶妙にナイスです。
後でまとめて捨てよう、と置いておくと何気に手についたりしません?
これならその心配もなく、散らかって、汚れずに済みます。
デカール貼りが苦手、面倒と思っている方はぜひとも試してみてほしいツールなんですよね!
デカーリングQuickトレイの欠点? 気になったところ
と、デカーリングQuickトレイのことを褒めちぎっていましたが、いちおう、個人的な意見ではありますが、苦言も呈したいと思います。
気になった点は、付属品です。ハサミとプラスチック製のピンセットですね。
ハサミなんて、すごく立派な物なんですが・・・正直、これ、使いません。
いや、わかるんですよ!
おそらく、これを一つ買えばデカール貼りはすべて賄えるよ! 切るのも掴むのもできるよ、ってことなんでしょうが、正直、デカールを切るにはカッターの方がやりやすい!
プラモデルを作る方なら、普通、カッターくらいは持っているじゃあないですか!
ピンセットも、プラスチック製でデカールを傷つけないようになっていますが、小さく、精度が足りないので掴みづらい・・・(泣)
これなら、精度はあまり高くなくても、100円で買った物のほうが使いやすいかと・・・。
ただ、ピンセットは出来れば1000円くらいのデカールピンセットを使うのがおススメです。
いいピンセットは、本当にストレスなくパーツやデカールをつかめますから。
正直、ハサミはやめて、ピンセットをいい物にするか、スポンジの替えを入れて値段を安くしてくれるといいんだけどな、と思います。
デカーリングQuickトレイは税抜きで1600円(記事制作当時)なので、ちょっと高いかな、とも思うんですよね。
値段以上の価値はあると思うんですが、モデラ―全員に試してみてほしいので、手に取りやすく、長く使えるようにしてほしいうのが希望だったりします。