塗装・工作スジ彫り

~ガンプラ初心者の方もやってみよう! スジ彫りの基本作業~

『スジ彫り』と言えばオリジナルのディティールをパーツに彫り込んでいく、ということをイメージする方もいるかもしれません。

たしかにそういった作業もあるのですが、元々あるディティール(溝)を彫り直すのも、立派なスジ彫りです。

今回説明する『スジ彫り』は、専用の道具を使って、この溝を彫る、またはもともとあった溝を掘りなおす、という作業のことになります。

全塗装をしてスミ入れをする、という方は基本的な工作のひとつ、と言っても過言ではないかもしれません。 

今回は、その基本的なスジ彫り作業を三つ説明します。

では、さっそくやっていきましょう!

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スジ彫り道具の用意

私の場合、スジ彫りに使う道具は基本的にほとんど『タガネ』を使います。

ですがこの『タガネ』、少々値段も高く、手に入りずらいのが難点です。(サイズによって違いますが、3000円~4000円くらいします)

私は0,15のサイズをメインに使っています。

そのため、手に入らない場合はとりあえず『ケガキ針』を用意しておきましょう。(模型用のものも多く販売しています)

タガネほど綺麗に彫るのは難しいですが、まずはこれでスジ彫りの作業に慣れるのがいいかと思います。

また、スジ彫りの道具については別の記事もありますので、よろしければご覧ください

スジ彫りのコツ

スジ彫りのコツですが、とにかく力を入れないことが、重要です。

力を入れず、何度もなぞって、溝を深くしていく。それが、スジ彫りの基本です。

道具が引っ掛かったりするとつい力を込めてしまうんですが、そういったときはデザインナイフなどで溝に当たりを付けるなどの作業をしましょう。

力が入ると、かなりの確率で失敗します。

スジ彫りの基本 モールドの彫り直し

まずは基本のモールドの彫り直しをやってみましょう。

彫り直しというのは、もともとあった溝を工具で深くしていく、という作業です。

なぜ彫り直しをするのかと言いますと、こういった溝は、パーツにヤスリを掛けたり、塗装をするとどんどんなくなってしまうからです。

すると『スミ入れ』という作業をするとき、綺麗にスミが流れなくなります。

塗装をした後、スミ入れが綺麗に溝に流れなかったことはありませんか?

それを防ぐために行うのが、このモールド(溝)の彫り直しになります。

やり方は簡単で、溝に沿ってスジ彫りの道具をなぞらせていくだけ。

場所によってはパーツが小さすぎたりして彫り直しが難しいこともあると思います。

そういったときはケガキ針など先端が細い道具を使う分ける必要がありますが、ある程度は慣れや腕がものを言う作業です。

ガンガン彫って、腕を磨いていきましょう。

最終的には、ヤスリで整えて仕上げて、完了になります。

 

この彫り直しですが、やっておくと意外なくらい仕上がりに差が出たりします。

特に、ガンプラのHGやRGなど1/144サイズは溝もあまり深くないため、全塗装をしてカッコよく仕上げたい場合はやっておいた方がいいですね。

スジ彫りはオリジナルのディティールを彫る、ということばかり目が向きがちですが、この元からあったディティールを彫りなおす作業も、めっちゃ大事です。

まずは、この彫り直し、という作業をやってみましょう。

スジ彫りの基本② 別のパーツに見せる場所を彫る

次はちょっと応用編です。

ガンプラのパーツには、よーく見ると「これ、本当は別のパーツなんじゃないの?」というところが結構あります。

たとえばEGガンダムの脚部。

ここは一つのパーツですが、発売されているガンダムのカテゴリによっては、別のパーツになっています。

ですので、こういった「境目」にスジ彫りをして、まるで別のパーツであるかのように見せる、というのが「別パーツに見せるスジ彫り」になります。

 

しかも、こういった境目は溝に見えて溝じゃありません。

スジ彫りをしている、スミ入れの時に絶大な効果を発揮します。

もし、境目にスジ彫りをしないでスミ入れをすると、ふき取りの時に余計にスミをふき取ってしまいます。

ぱっと見た感じで印象も変わりますが、別パーツに見えるスジ彫りが効果を発揮するのはスミ入れをした時ですね。

 

じつはこういった場所、よーく見ればけっこうあるんですよ。

EGガンダムだと、アンクルガードの接続部分とかもそうです。探せばまだまだ出てきます。

スミ入れをする、溝に見えて溝じゃない場所、です。

「へこんでいるところが大事」、と模型の本には書いてありました。

探してみて、ぜひやってみてください。

本当に仕上がりに差が出ますよ!

スジ彫りの基本③ 消えてしまった溝の彫り直し

次は「消えてしまった溝」の彫り直しです。

よくあるのが、合わせ目を消したときに、どうしても一緒に消えてしまう溝ですね。

こういったところはケガく工具よりも、切るタイプの工具でやったほうが上手くいきます。

「目立てヤスリ」の側面で、一気に溝の上をなぞります。

簡単にモールドが彫りなおせます。

これは工具次第で簡単にできます。

目立てヤスリがない方は、デザインナイフなどで『V』の字に切り込みを入れても同じことができますね。

スジ彫りがずれてしまった時の対処法

スジ彫りをしていると、道具がずれてパーツを余計に傷をつけてしまうことが絶対にあります。

ヤスリ掛けで消える傷、ならいいんですが、そうでない場合はラッカーパテで埋めてから整える、という手順が必要です。

 

また、スジ彫りをやり直すとき、よれた方向に引っ張られる、ってことがあります。

その場合は、反対側から彫る、などちょっとした工夫が必要です。

 

ただ、スジ彫りで出来た傷は、パテで埋めて彫りなおしても、上手くリカバリーできないことが多くあります。

完全に元に戻すのは難しいです。

これはもう仕方がないんですよね(泣)

ある程度修復出来たら、気を取りなおして次に行きましょう。

リカバリーが難しい、取り換えしが効かない、というのが、スジ彫りの難しいところですね。

まとめ

今回紹介したスジ彫りは、全塗装をする方、スミ入れを綺麗に入れてカッコよく仕上げたい、と思った方が行うスジ彫りです。

基本的には『最初からある溝』を、彫りなおす。

または『本当は溝があるんじゃない』という場所を見つけて、彫り込んでいく、という作業です。

スミ入れがびしっと決まるとカッコいいですよ!

参考までに、写真のHGオリジンガンダムでスジ彫りをした記事はこちらです。

塗装の下準備としてスジ彫りをしています。

 

スジ彫りは割と難しい作業ではあるのですが、上手くいくと、ぐっとカッコよくなります。

ちょっと上の完成品を目指したい方は失敗を恐れずにぜひやってみてください。

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