塗料・工具

エナメル塗料の使い方は? 塗り分けに最適な「特徴」と「注意点」を説明!

模型の塗料にはエナメル系と呼ばれる塗料があります。

写真に写っているタミヤの物が一番有名ですね。

瓶が非常に小さく、主に筆を使って塗装します。

 

エナメル系塗料は、水性塗料やラッカー塗料とはまた違った特徴があり、それを活かすと、ぐっと模型の完成度を上げることができます。

主に、

① 細かい所の塗り分け

② モールドなどのすみ入れ

③ ドライブラシ・チッピング・フィルタリングなどのウェザリング塗装

などに使います。

ただ、エナメル系塗料にはちょっと注意点もあり、今回はそのあたりをすこし解説していこうと思います。

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エナメル系塗料の特徴

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エナメル系の塗料にはラッカー系と同じく、専用の溶剤があります。

つまり、筆を洗ったり、塗料を薄めたりするには、この専用の溶剤が必要になります。

そしてその特徴として、エナメル塗料や溶剤は、ラッカー系塗料を溶かさない、というものがあります。

 

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たとえばこれは、ラッカー系のスージーブルーの上にエナメルのニュートラルグレーを塗ったものです。

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エナメル系の溶剤を含ませた綿棒などでグレーの部分をこすってみます。

すると、エナメル塗料だけが溶けて、ラッカー系塗料である青にほとんど影響がありません。

この原理を利用して、細かい所を塗る、ということが可能になります。

例① 部分塗装をやってみる

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たとえばこういう部分です。

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本来、ウイングガンダムゼロの肩のモールドは、へこみがある部分だけ黒で塗装されています。

これをはみ出さないように塗るのは至難の業ですが・・・。

f:id:hkn3:20200601193229j:plainエナメル系塗料なら簡単に出来ます。

まず、筆で大まかに塗ってしまいます。

f:id:hkn3:20200601193654j:plainそして、塗料が乾いた後、エナメル系の溶剤を含ませた綿棒などで、はみ出した部分をふき取ってあげればOKです。

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作業後。綺麗に塗り分けることが出来ました。

こんなふうに、こういう細かい所の塗り分けも簡単に行うことが出来ます。

つまり、塗っていて、はみ出たら拭き取っちゃえばいい、と考えです。

それなら、どんなところも簡単に、アクセントとして塗り分けが出来ると思いませんか?

例② すみ入れやウェザリングにも良く使われる

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エナメル塗料はすみ入れやウェザリングにもよく使われます。

すみ入れのやり方は簡単です。

エナメル塗料を専用の薄め液で薄め、濃度を水のようにします。

f:id:hkn3:20200601191407j:plain薄めたエナメル塗料を筆に含ませ、それをスジの入った場所に、ちょん、と乗せてあげると、すうーっとそのラインに沿って塗料が流れていきます。

f:id:hkn3:20200601191422j:plainはみ出た場所は薄め液を含ませた綿棒などで、さっと拭いてしまうと綺麗になります。これで完了です。

他にもチッピングやフィルタリング、ドライブラシなどのウェザリング塗装もエナメル系塗料でおこなうことが多いです。

ウェザリングについてはやり方を書いた記事もありますので、よろしければご覧ください。

hobi-rain.com

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 エナメル塗料の注意点 エナメル割れとその対策

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そして、エナメル塗料を使うにあたって、注意しなければいけない点があります。

それは『エナメル割れ』です。

エナメル系塗料は浸透性が強く、わかりやすく言えばプラモデルのパーツを劣化させる、という特徴があります。

 

もちろん、塗った場所をすぐに劣化させしまうような強い力はありません。普通に塗っていれば、まず問題ないのですが・・・。

写真のように、ぐいっと折れ曲がったランナー。真ん中が白く変色しています。

プラモを作っていて無理やりパーツを外そうとした時、こんな風になったことはありませんか?

こんなふうに、力のかかってしまった部分は要注意です。

f:id:hkn3:20200601201752j:plain実験として、白化した部分にエナメル塗料を塗ってしばらく放置します。

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それを元に戻そうとすると(反対側に力を入れると)、めきっと簡単に折れます。

これはまあ、極端な例なんですが、ガンプラなんかは一度はめたパーツはかなりキツく、なかなか外れないようになっています。

つまり、それだけ強い力がかかっているので、それによって負荷がかかり、脆くなっている部分があるんですよね。

そういった負荷のかかった部分というのは、意外とわからない。

 

もし、そういうところにエナメル系塗料を使ってしまったら、パキッと割れてしまうことがあります。

それがよく『エナメル割れ』と言われている現象です。

できるだけ割れを防ぐ方法

エナメル割れを防ぐ方法はひとつしかありません。

パーツを出来るだけ分解して、かかっている負荷を少なくする、です。

特に、力がかかる関節や可動がある部分は要注意ですね。

 

とはいえですね、まあ、どんなに気を使ってでも、割れるときは割れるんです(泣)

割れるのが嫌だからエナメルを使わない、という選択はもちろんアリですが、あまりにもビクビクする必要もないと思います。

やばいかな? と思った場所が全然平気で、変なところがぱっきり逝っていることもあります。

 

以上で、エナメル塗料の特徴と注意点になります。

エナメル系塗料は、塗り分け、すみ入れ、ウェザリングなどけっこう必須な塗料になります。使ったことが無い方はぜひ使ってみてください。それでは。

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